【水】水木しげる原画展を見て

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今日は、水木しげる先生の原画展に行ってきた。水木先生はもう数年前に他界されているが、『ゲゲゲの鬼太郎』を始め、数々の作品を残している。先生の生涯を振り返るとともに、原画や原稿、構想の日記や手紙など、当時のものが並べられていた。

以前には私自身、先生の育った、鳥取県境港市の水木しげるロードや、東京に移り住んだ時の調布にある、鬼太郎茶屋など訪れたことがあった。また、NHKの連続テレビ小説、『ゲゲゲの女房』も見ていた。鬼太郎茶屋では、幸福の7か条というものがあったり、水木先生の何となく過ごしてきたことを知っていたのだが、今回の展示は、その生涯を原画と振り返る壮大なものであった。

先生自身、いろいろと絵を書くのが昔から上手であったのは驚きであった。漫画を描く以前には、港の風景や解剖した手の筋肉の描写など事細かく描いていた。その絵を見ても、うまいの一言であった。初めから漫画がうまいではなく、もともと絵を書く技術も相当なレベルであったとのことだ。また戦争での生々しい体験談や左手を失った時の様子など、改めて知ることができた。

戦争が終わり、日本に帰ってきて、やはり漫画が描きたいとの一心で様々な絵を書いたり、アシスタントの仕事をしたり、軌道に乗るまで、書いて書いて書きまくったそうだ。当然、苦労している時は、お金もない状態だったが、40歳を過ぎてから遅咲きの人生を迎える。その後の活躍は言うまでもなく、国民的な人気漫画となった。妖怪という未知の世界をこれほどまでに身近に、また頼もしく伝えてくれた。先生自身亡くなる直前まで執筆されて、未完成の作品も展示されていた。

目に見えない妖怪や不思議な出来事、死後の世界、自然との共生などがテーマだが、その描き方もものすごい描写であった。背景の植物や建物はとても繊細で細かく書き、中心の人物ははっきりをおおまかに描く。これが、人物をより際立出せている技法のようだ。

確かに、描いた絵を見ると、背景の影や点などは無数に描かれているのに対し、人物の線はいたってシンプルに輪郭を描くだけにしている。そのギャップが絵に迫力を生み出しスパイスとして効いているのだ。

最後にあった、ミュージアムショップでは、先生の言葉があるクリアファイルを買った。『好きなことをやりなさい』と書かれているそのファイルは、好きな漫画を一心不乱に描き続けてきた、水木先生だからこそ言える含蓄のある言葉だ。そのメッセージは、好きなことをやることが、自分の人生で一番大切なことであるとも読み取れる。

自分自身、現在41歳であるが、好きなことができているか?仕事もそうだが、私生活でも好きなことができているか?水木先生からのメッセージは、この先私が生きている間、一生問い続けていきたいメッセージだった。先生の幸福の7か条も胸に今後も過ごしていきたい。水木先生ありがとうございました!

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